レンブラントの描くアダムとイヴ
レンブラント『アダムとイヴ』1638年(アムステルダム国立美術館)
レンブラントの描くイヴは比類ない。イヴはアダムを誘惑する罪の女ではない。禁断の知恵の木の実に驚愕しているのは、アダムだけだ。そのためアダムの姿は弱々しい。対するイヴは大地に根を下ろし堂々としている。
アダムを誘惑しているのではない。アダムは勝手に驚愕しているだけなのだ。
もう一つ、レンブラントの描くイヴが比類ないのは、イヴの外陰部がキチンと描かれている点にある。
西洋絵画では多くのイヴが描かれたが、外陰部まで描かれたのは、滅多にいないのではないだろうか。
おそらくレンブラントにはタブーはなかった。
イヴを罪の女とする過剰な演出もなかった。
悪魔は驚愕する弱々しいアダムに照準を絞り、襲い掛かろうとしているのだ。
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