神話時代と現代とをつなぐ祈り

沖縄では、井戸(カー)は使われなくなっても埋めることはしない。
おそらく神が宿っているのだろう。
名護の街角のコンビニの前に、井戸の跡があった。
そこは前東江(メーアガーリ)とも呼ばれたかつての浜辺付近であった。
カー(井戸)の跡には線香と呪具が供えられているので、
今でも祈りが捧げられていることがわかる。
長大な浜は埋め立てられ、
鬱蒼と繁った福木並木はブロック塀に変わり、
砂地の道は痕跡も残らない。
このような風景にも神は降りてくるのだろうか。
しかしこのような祈りが、神話時代と現代とを、微かにもつなげているのだろう。

神話時代と現代とをつなぐ祈り
神話時代と現代とをつなぐ祈り



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