16世紀中葉、日常生活の中に家族が描かれるようになる

16世紀からテーブルを囲んで家族を描くことが始まるとフィリップ・アリエスはいう。
日常生活をテーマに家族が描かれるようになる。
家族が宗教画から離れて描かれるようになるのである。
それは宗教改革(1517年)とは無縁の動きではないだろう。

十六世紀中葉になると、果物がのせられたテーブルを囲んで家族を描くことが始められる。一五六一年フローリス作のヴァン・ベルゲム家の人びと、あるいはまた、一五七七年マルタン・ド・ヴォス作のアンセルム家の人びとがその例である。(…)
この時を画して、家族はその日常生活の折々に、その場面の一瞬をとらえて描写されるようになるのである。(アリエス『〈子供〉の誕生』)

16世紀中葉、日常生活の中に家族が描かれるようになる
フランス・フローリス作『ヴァン・ベルゲム家の人びと』1561年

16世紀中葉、日常生活の中に家族が描かれるようになる
マールテン・ド・ヴォス作『アンセルム家の人びと』1577年



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