宮古島狩俣祖神祭の「にーり(一)」

具志堅 要

2023年09月12日 15:55

狩俣(かりまた)うやがむのにーり

祖神のにーり(一)

一、てんのあかぶしやよ、てだなうわまぬすよ 
      トントナギ、マサリが
(囃子、以下略)
天の赤星よ、太陽の子の真主よ

二、てだのぷーずとよみやよ ういなうわまぬすよ
太陽の大按司豊見親よ、上の子の真主よ、

三、しらてやま、びるぬす、 ふんむいん、びるぬす、
治らす山に坐す主、国の森に坐す主

四、やまのふーすらいよ、あうすばぬまぬすよ、
山の妖怪(大蛇)よ、青すば(青い木の葉の被りもの)の真主よ、

五、あうすばやかさまし そりすばやまさらし
青すばを重ね、そりすば(神女の被りもの)は勝り

六、まやぬまつめがよ ももふさのまぬすよ
〔御嶽の〕前の家の〔女神〕マツメガよ、百草の真主よ

七、んまりまつめがよ やそふさぬまぬすよ
〔聖なる〕生まれのマツメガよ、八十草の真主よ

八、んまのかむうみぷぎ やぐみがむうみぷぎ
母なる神に申し上げます、尊い神に申し上げます

九、よらさまい、うみぷぎ ぷがさまい、うみぷぎ
寄り集まるよう申し上げます、お喜びなさるよう申し上げます

一〇、みやーくとがいなゝぎ しまとよがいなゝぎ
宮古世のあらん限り、シマの世のあらん限り

稲村賢敷『宮古島旧記並史歌集解』(1962年、琉球文教図書)より
現代語訳 具志堅 要

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