2022年03月22日 12:00
16世紀において「囲い込み」とは、イングランドの領主と裕福な農業者が共有の土地財産を根絶し、自分たちの保有地を拡大するために用いた一連の戦略を指す専門用語であった。たいてい、村に散在する囲いのない小区画の耕地を村民たちで所有する取り決めであった開放耕地制の廃止を意味した。また、共有地(コモンズ)を柵で囲い込んだり、土地はないが慣習上の権利を有していたことで何とか生活していた貧しい小作人の掘っ立て小屋を破壊したりすることを含んでいた。鹿の保護地をつくるために大きな土地が囲い込まれたり、放牧地にするために村全体が破壊されたりすることもあった。
囲い込みは18世紀に入ってもつづいていたが、宗教改革以前でさえ2000以上の村落共同体がこのようにして破壊された。
シルヴィア・フェデリーチ『キャリバンと魔女』