ハブリエル・メツー作『酔った老人』1661-63年、アムステルダム国立美術館蔵
17世紀のオランダは最初の近代的市民社会。
禁欲主義的なカルヴァン主義者が建国した国。
教会を飾る絵はなく、絵画作品はブルジョワ家庭の居間を飾った。
絵のテーマに宗教的なものが選ばれることは少なく、
世俗的な市民生活の描かれることが多かった。
禁欲主義者の居間を飾る絵なので、絵は教訓的であるべきものだった。
これは酒におぼれてはならないという教訓が描かれているのだろう。
しかし現代の目から見るならば、
このような自堕落な生活への憧れを描いているようにも見える。