大津絵の神々を出現させた岩佐又兵衛

大津絵の神々を出現させた岩佐又兵衛
歌川国芳画《浮世又平名画奇特(二枚綴りのうちの一枚目)》(1853年、ボストン美術館所蔵)

浮世又平というのは浮世絵の元祖とされる江戸時代初期の絵師・岩佐又兵衛(1578 - 1650)のこと。
この絵は役者絵で、近松門左衛門の「傾城反魂香・又平住家の場」宝永5年(1708)を絵にしたもの。役者は市川小団次。
シーンは、又平の家に匿われた姫に追手が迫ると、大津絵の中の人物たちが現れて、追い払うというところ。
又兵衛ほどの名人になると、絵に描いた神々が出現してしまう。
大津絵は江戸初期,近江(滋賀県)大津の宿駅で旅人相手に売られた民衆絵画で、旅人の土産になり、「まじない」にも用いられた。
これだけ目出度い神々が揃うと、疫病の神も、元いた自然の中に帰っていかれるだろう。

大津絵の神々を出現させた岩佐又兵衛


タグ :国芳

同じカテゴリー(浮世絵)の記事
子授け祈願の浮世絵
子授け祈願の浮世絵(2023-04-25 06:02)