門付けの古い形を残した節季候(せきぞろ)

門付けの古い形を残した節季候(せきぞろ)
鍬形蕙斎画《『職人尽絵詞』より「節季候(せきぞろ)」》1804-18年頃、国立国会図書館蔵

節季候というのは、十二月の初めから二七、八日ごろまで、羊歯(しだ)の葉を挿した笠をかぶり、赤い布で顔をおおって目だけを出し、割り竹をたたきながら二、三人で組になって町家にはいり、「ああ節季候節季候、めでたいめでたい」と唱えて囃して歩き、米銭をもらってまわった門付け芸人のこと。

折口信夫は「神人・藝人・乞食者のいづれにも屬する者」で、来訪神から祝言職、乞食に変化したもので、芸能・祝言としては形式が自由であり、古いものだろうとしている(『國文學の發生(第三稿)』より)。


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