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——無縁の縁(えにし)を紡ぐ——
不確かな現実を見つめる遊女
2022/01/29
歌麿
喜多川歌麿画《青楼十二月 続 「丑の刻」》1794年頃、ボストン美術館蔵
青楼というのは吉原遊廓のこと。遊女たちの一日を描いている。
丑の刻は現在の午前二時頃、
寝巻き姿の遊女が草履をつっかけ、
厠(かわや)に用足しに立とうとしている。
右手に懐紙、左手に紙燭(しそく)を持っている。
紙燭は油に浸したコヨリに火を灯したもの。
夢うつつの遊女が草履をつっかけるために
少し晒した素足がなまめかしい。
裏返った草履を追う遊女の視線は、
一瞬、不確かな現実を見つめているようだ。
タグ :
歌麿
青楼十二月
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Posted by 具志堅 要