2024年11月14日
近代以前、兵士は家族とともに従軍した
キャンプ・フォロワー (Camp followers) という言葉がある。非戦闘従事者という意味だ。売春婦である場合もあったが、兵士の家族であることも多かった。19世紀半ばまで、欧米の軍隊は非戦闘従事者を抜きにしては軍隊組織を維持することができなかったという。19世紀半ばに...
——無縁の縁(えにし)を紡ぐ——
2024年11月14日
キャンプ・フォロワー (Camp followers) という言葉がある。非戦闘従事者という意味だ。売春婦である場合もあったが、兵士の家族であることも多かった。19世紀半ばまで、欧米の軍隊は非戦闘従事者を抜きにしては軍隊組織を維持することができなかったという。19世紀半ばに...
2024年10月29日
パウラ・モーダーゾーン=ベッカー 『自画像』1906年ドイツ表現主義の画家パウラ・モーダーゾーン=ベッカー(1876 - 1907)はこの絵を描いた翌年に31歳で亡くなっている。女性のセルフヌードは当時、衝撃的だったという。詩人のライナー・マリア・リルケ(1875 - 1926)...
2024年10月23日
スイスの象徴主義の画家フェルディナント・ホドラー(1853-1918)の作品を見ていると、《木を伐る人》という作品があった。それを見ていると、グレゴリー・ベイトソンのきこりの喩えを思い出した。ホドラー《木を伐る人》(1910年、大原美術館)ベイトソンは〝自己〟はど...
2024年09月24日
玉木順彦『近世先島の生活習俗』(1996年、ひるぎ社)を読んでいると、〈久米具志川間切規模帳〉(1831年)で男女そろってウシデークを踊ることが禁じられるという記事がある。32 七月文中(盆=筆者注)百姓等男女打込おすたいく躍仕家内毎忌係り之方も無構押而罷出所中...
2024年09月24日
島袋源七(1897-1953)の『山原の土俗』を読んでいると、神々に扮した神女たちの正体が明かされる話が二つほど出てくる。一つは「神様を捕えた話」で1899年ほどの頃とされる。もう一つは「神様を見た男の話」で1903年か1904年頃のことだ。二 神様を捕えた話三十年ほど前...
2024年09月23日
ニコラ・プッサン『蛇と二人のニンフのいる風景』1659年、コンデ美術館蔵プッサンは風景の中に神話を忍び込ませる。静穏な風景の中で、草むらの陰、闇の中に大蛇が潜んでいる。ニンフたちは驚くでもなく、ごく当たり前の風景としてそれを観ている。沖縄の山原(やんばる)...
2024年09月13日
ロヒール・ファン・デル・ウェイデン『若い女性の肖像』1440年頃、大英博物館ロヒール・ファン・デル・ウェイデン『若い女性の肖像』1440年、絵画館(ベルリン)おそらく同じモデルだと思われる。素描の方の少女は、とても魅惑的だ。絵画の技術的困難はファン・デル・ウェ...
2024年09月12日
1977年春季号の沖縄の郷土月刊誌『青い海』「特集 名護の風土と異色人物列伝」を見ていると、当時の名護市長の渡具知裕德の文に出会った。裕德氏によると、復帰から海洋博にかけては土地買い占めが頻繁に行われていた。しかしやんばるのシマ社会はそれに抵抗した。「この...
2024年09月09日
木村伊兵衛による那覇辻原(1936年)那覇市歴史博物館によると、戦後、辻原墓地は徹底的に破壊され、痕跡も残らなかったようだ。終戦後の1953年(昭和28)から始められた、辻から若狭(わかさ)にかけての区画整理では、辻原を含む海岸一帯にあった1,700基余りの墓は、すべて...
2024年07月16日
レヴィ=ストロースはイタリア・ルネサンスでさえも堕落の印象を受けるという。「人間は、初めにしか本当に偉大なものは創造しなかった。それがどんな領域であれ、最初の遣り方だけが全き意味において有効なのだ」と。だからボクたちは「始まりのとき」を尋ねる必要がある...