現在のオランダ、ベルギーを含むネーデルラント諸州はスペインの支配下にあった。
スペインはカトリックの国であったのに対して、
ネーデルラントはプロテスタントのカルヴァン派が勢いを増しつつあった。
1568年にネーデルラント諸州はスペインからの独立戦争を開始する。
そして1600年頃までにネーデルラントの北部7州は
ネーデルラント連邦共和国として実質的に独立を果たした。
そのネーデルラント連邦共和国が現在のオランダのもとになる。
コルネリス・ファン・ハールレム (1562年-1638年)が道化師のトローニーを描いたのは、
1596年頃だ。
『愚か者の帽子をかぶった道化師』(46.5 x 33.5 cm)1596年頃、フランス・ハルス美術館蔵
このトローニーが描かれた頃から、オランダは実質的な独立を果たし、
17世紀の黄金時代を迎える。
この絵はその画期となる作品といえるだろう。