ゴッホの書簡(1890年7月23日)のスケッチ『ドービニーの庭』

ゴッホの書簡(1890年7月23日)のスケッチ『ドービニーの庭』
フィンセント・ファン・ゴッホ『ドービニーの庭』 1890.7.23 (ファン・ゴッホ美術館)

亡くなる一週間前に弟のテオに宛てたフィンセントの書簡には四点のスケッチが添えられていた。昨日アップした『麦わら屋根と人物』がそれで、今回のスケッチも四点の中の一つ。ゴッホは手紙で「これ〔ドービニーの庭〕は僕が最も期待をかけていた画布の一つだ」という。

ドービニの庭の前面には緑と赤の草が生えている。左側に緑の茂みとリラがあり、切株から出た葉が白味がかっている。中央の地面にばらの花壇があり、右側には柵と壁、壁の上に紫色の葉の榛(はしばみ)の木がある。
それからリラの垣根と黄色い丸味のある菩提樹(ぼだいじゅ)の列があって、奥の突当りの家は紅で、屋根の瓦は青味がかっている。
長い腰掛けが一台に椅子が三つ、黄色い帽子をかぶった黒い人影と、前面に黒猫がいる。空は薄緑。(硲伊之助訳『ゴッホの手紙 下』1970年、岩波文庫)


ゴッホの書簡(1890年7月23日)のスケッチ『ドービニーの庭』
フィンセント・ファン・ゴッホ『ドービニーの庭』 1890.7 (ひろしま美術館)



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