ゴッホ『医師ガッシェの肖像』1890年6月(オルセー美術館)
テオ宛の手紙第638信(1890年6月4日付け)でゴッホはこの絵に触れている。
「ここに向けて出発する間際に描いた自画像」がどの絵にあたるのかはわからない。
そのため、どのような気持ちがこもっているのかはわからないが、印象的な絵だ。
いまガシェの肖像を描いている。白い鳥打帽をかぶり、純然たる金髪で、とても明るく、手の色も淡い肉色で、青い礼服を着け、背景は青い空色で赤い机にもたれている。机の上には黄色い本とジギタリスの真紅な花が置いてある。僕がここに向けて出発する間際に描いた自画像と同じ気持がこもっている。